家 族 の 風 景
   おかあさん    1年 男子

ぼくのおかあさんは いつもぼくをしかってる。

「よわいものいじめをするんではないですよ。」

といってるけど、

おかあさんだって、ぼくをよわいものいじめしている。

でも、ほんとうは、いいおかあさんなんだ。

ぼくに、いい子になってもらいたいから おこるんだね。

わかっているんだよ、ぼく。      1975年度

  
せなか   2年 男子

せなかにのった

おとうさんが 

いいきもちといっていた

ぼくは うれしかった

          1976年度

   おんぶ         4年 女子

 今日お母さんをおんぶしました。
 
 ちょっとふらふらしたけれど

 五歩か六歩あるけました。

 前にお母さんをおんぶしたときは

 ぜんぜん前に進まないで

 お母さんがさきに足をついてしまいました。

 こんどは ちゃんと歩けました。

 お母さんは 五十何キログラムもあるのに

 おんぶできました。

 こんど お母さんがぐあいがわるくなったら

 私がおんぶしてあげられるので 安心しました。
              1982年度

   馬とび     2年 女子

いくぞお ! !
一つ 二つ 三つ 馬とびだあ

わたしが 一ばんさきだよ

大きい馬、小さい馬

こんどはおねえちゃん

つぎはおとうさん

そのつぎはおかあさん

おかあさんのときは おもいぞ

わたしは つぶされないように がんばるぞ

かぞくそろって ピョンピョン・・・・・

           1976年度

  おかあさんの手    2年 女子

いつもうごいている おかあさんの手。

せんたくをしているし おさらをあらっている。

おかあさんの手は 大きいの。

おかあさんの手って まっ白。

でも すこし青いところがある。

おかあさんの手ってかたいの。

でも すこしやわらかいの。

ときどき 「いいこ。」といって

わたしの頭 なでてくれる

やさしいおかあさんの手。

 お父さんお母さんてよべたらいいな
                         2年 女子

わたしはいえで 「パパ、ママ。」とよんでいる。

学校では「お父さん、お母さん。」と平気でいえる。

だから うちでも 平気でよびたい。

だれもいなくなったとき 小さい声でいってみた。

「お父さん、お母さん。」

ちょっと はずかしいきもち。

わたしは日本人なのに

どうして「パパ、ママ」ってよぶんだろう。

そうだ、ゆうきをだして これからは、

お父さん、お母さんとよんでみるからね。

わらわないでね、「お父さん、お母さん。」
                1976年度
  小さいくつ          2年 男子

ドアをあけて  「ただいま。」

ふとみると 小さなくつが、

きちんとならんでおいてある。

小さくて とてもかわいい。

ぼくのくつと ならべてみた。

とてもとても小さい。

なんとなく かわいい。

げんかんに 小さな花が さいたみたいだ。
                 1976年度


  お母さんふとってよ    2年 男子

お母さん どうしてやせているの

きんじょのお母さんは、みんなふとっているよ

くいしんぼうだし、

ケーキもだんごもだいすきなのに、

どうしてかなー

早くふとってよ お母さん ! !
                     1976年度

                 
 パパの頭はつるつる  2年 男子

うちのパパのけは、

少しずつ、少しずつ、とれていく。

はじめは おでこのほうだったけれど、

だんだん、だんだん、頭のほうにうつっていく。

おとうさんは、

「うるさい。」「うるさい。」というけれど、

ほんとは、じぶんでも、

おかしいと思っているにちがいない。

              1976年度
  お母さんの顔     ?年 女子

お母さんの顔は、目がふたえで、

いつもぱちくりしたりする。

(かわいいお母さんだ。

目がほそくなったり、ふとくなったり、

口をのばしたりちぢめたり 毎日たいへんだな。)

わらったり、おこったり、

目と口がおどっているようだ。

いろいろなダンスを

目がはなに見せてあげたり、

はなが口に見せてあげたり、

顔、顔、お母さんの顔。
   へんな顔    3年 女子

私は 目をしかめて

    はなのあなをひろげて 

    口をひんまげて

「お母さん、くみがこんな顔だったらどうする。

 すてちゃう?」 と聞いてみた。

お母さんは だまって

しばらく 私の顔を見ていた。

「しんぱいしなくていいよ。

お母さん いっしょうけんめいはたらいて、

せい形しゅじゅつしてあげるから。」 と言った。

そして ふたりでわらった。

私は ちょっと あんしんした。

                1981年度
   伝 言         五年 女子

 うちのお母さんは働いている。

 私が一年の時は 学校から帰ってきて

 「ただいまー。」と言うと、

 「お帰りなさい。」 という声が必ず聞けた。

 弟が 今年一年になって

 学校から帰ってきても、 だれもいない。

さびしくて、心細いだろう。

 でも、お母さんが、 手紙を残していく。

 「おかえりなさい。

  きょうは がっこうで

  どんなことをしたのかな。

  お母さんが帰ってきたら おしえてね。」

私が一年の時に言ったことを 毎日書く。

書き忘れたことはない。

 もう、少ししか残っていない メモ用紙。

あんなにたくさんあったのに。

 伝言の一字一字に

 お母さんの真心がこもっている。
                               1979年度

※弟の気持ちを思い、お母さんの心を考える作者。高学年らしい詩で     
  す。家族が一緒にいられなくても、心はしっかりつながっています。
    おもち             2年 女子

プープースッ 、プー

やけた、やけた

おもちのほっぺが ふくらんだ。

ストーブの上で おこっている。

わたしがおこったときの ほっぺみたい。

「だれかさんに、にてるね。」

と おかあさんがいった。

わたしはおもわず

プーとふくらんだ。

おかあさんが

大きな声でわらった。


                           1976年度
   かわいそうなはまぐり        2年 男子

今日 おかあさんが、はまぐりをかってきた。

しお水につけて五分ぐらいしたら、

ブジュ、ブジュ、ブジュ。

貝がなにかいったみたいだ。

なおもかんさつ。

ぬるぬるしたようなべろを出した。

そのべろにさわると、

ぴっとひっこめて、からをかたくしめてしまった。

おかあさんが、その貝を、フライパンの上に並べてふたをして、

ガスにかけた。

十分ぐらいして、

ガサ、ブク、パカ。ガサ、ガサ、パカ

と音がしてふたが動き出した。

お母さんがふたをあける。

貝の口が大きくないていて、

「もうだめ。」

と、ぼくをにらんでいるみたいだ。

ぼくはかわいそうで目をつぶる。

お父さんは、おいしそうに、

その貝を食べてしまった。

貝ってかわいそうだな。

ぼくは、1つも食べませんでした。

                         1976年度

   おかあさんのびょうき      2年 男子

おかあさんがびょうきになった。

はやくなおらないかな。

はやく

はやく

  はやく

はやく 

  はやく

なおれ!

なおってちょうだい。

なおって。

おいしゃさん、はやくなおしてちょうだい。

                           1976年度