歴史関係の棚
 ここは、特に組織的に収集した棚というわけではありません。行き当たりばったりに並べてありますのでどこからでもご覧になれます。
写真帳
全般
小説
深川江戸資料館  
「ローマ人の物語」      塩野 七生

 「中国の歴史」         陳 舜臣

 「アレクサンダー大王の父」 原 随園

 「太公望」他          宮城谷 昌光

 「背教者ユリアヌス」     辻 邦生

 「堯帝春秋」          中村 隆資


江戸もの 最近こっています。読み出すとそれぞれにおも
        しろさがあり、ついついのめり込んでしまいます。
        その中からいくつか紹介します。

 1.池波正太郎 「剣客商売」シリーズ
            「鬼平犯科帳」シリーズ
       
池波さんの作品は、繰り返しテレビ化され、今もどこ
       かで再放送をしている(CSほか)とにかくおもしろい。
       「人は、いい心を持ちながら悪事をしてのけ、悪い心を
       持ちながらいいこともする・・・」という鬼平の含蓄ある
       セリフは有名。

 2.平岩弓枝   「御宿かわせみ」
       
1980年ごろNHKでテレビ化された。そして、最近(2003年)
       キャストを一新して再度テレビ化されて現在も放送中。民放
       でもやったそうだが見ていない。
       1980年ドラマ化された当時から、今も雑誌に書き継がれて
       いて、非常に息の長いシリーズとなっている。とてもバランス
       の取れた安心して読めるシリーズ。ミステリあり、人情ものあり
       叙情的な場面ありドラマチックな話ありで、これだけ長期に
       わたって書かれているのにだれというものがない。見事な
       作品だと思う。主役も脇も、そして、成長してくる子どもたちも
       活躍する。ホームドラマととらえた人もいる。


 3.北原亜以子 「深川澪通り」シリーズ
            「慶次郎縁側日記」シリーズ
       
木戸番小屋の番人夫婦が主人公の「深川澪通り」は、以前
       NHKでドラマ化されたことがある。ほとんどの場合、哀感あふれ
       る庶民の話。 「慶次郎縁側日記シリーズの中に「脇役」という
       1冊がある。題名通り、本編の脇役たちの物語だけで構成さ
      れている。ところが、この脇役たちの一人残らずが心に傷を
      もっている。主人公の慶次郎にしたところで同じである。それ
      だけに味わい深い話が多い。
       
2004年8月から10月にかけて、NHK金曜時代劇で、10回
      シリーズのドラマとなって登場した。時代劇としては出色の味わい
      深いドラマだった。大きな事件はなく、人と人の関わりの中で生ま
      れる物語がほとんどだったが、どの挿話も、最後まで画面に釘付
      けになり、暖かい余韻がのこった。
       

 4.澤田ふじ子  「高瀬川女舟歌」シリーズ
            「公事宿事件書留帳」シリーズ
       
「公事宿事件書留帳」がNHKで連続ドラマ化されている。
       他の作品と大いに違っているのは、これだけが、京都を
       舞台にしているところである。また、基本的には明るいエン
       ターテイメントともいえる。だれもが主人公になるというスタ
       ンスがありながら、ヒーローもちゃんといるのである。また、
       毒舌合戦のように見える会話のおもしろさは抜群で後味も
       良い。
        「陸奥甲冑記」(中公文庫)の後書きに「澤田ふじ子は歴史
       小説や時代小説を書く上で、常に敗れ去った者や抑圧された
       者へ目を向けてきた。」(大野裕美子氏)とあるように、作ら
       れた正史や勝ち残った者の視点から離れた地点に立ち、敗
       者に暖かい関心を寄せている作品も多い。


 5.宮部みゆき  「幻色江戸ごよみ」
            「本所深川ふしぎ草子」
            「ぼんくら」 「日暮らし」

         宮部みゆきといえば、売れっ子作家で、いろんな作品を書い
        ているが、私は、江戸時代物しか読んでいない。それがまた
        見事な作品群なのである。 「幻色江戸ごよみ」をまずお勧め
        したい。
         哀感あふれる話、不思議な出来事など、短編の一つ一つが
        たとえようもなく面白い。また文章が平明で読みやすいのも
        特徴。私は、江戸もので宮部みゆきを初めて認識したのであ
        る。

 6.その他
   宇江佐真理 「髪結い伊三次」シリーズは現在6冊刊行されている。
   藤原緋沙子 「隅田川御用帳」シリーズ 「橋廻り同心・平七郎控え」シリーズ
   佐藤 雅美  「物書同心居眠り紋蔵」シリーズを読んだ。
     なぜか髪結い伊三次の印象はあまり残らなかった。
     隅田川御用帳は手際よくまとまっているものの、ある種の連続ドラマの
     台本のように先が見える感じがした。
     居眠り紋蔵は、ここまでの中では数少ない男性作者。名前通りいかにも
     さえなさそうな主人公のキャラクターが成功していた。